動いているものを上手に撮影するには?
プラクティカルフォト認定講座(http://home.artphoto-lesson.com/)監修の宮木和佳子です。
生徒さんから
「動いているものを上手に撮影するにはどうしたらいいですか?」
というご質問を沢山いただきます。
今回は動いているものを上手に撮影するコツをお伝えします。
動きものは「心技体」が大事!?
お子さん、動物、スポーツ、車、運動会、発表会……。
実はこれらは全て「動きもの」という共通項でつながっている被写体です。
ゆっくり動いているものであればそこまで苦労はしませんが、
すばやく動き、さらにそれが予測不能となると、撮影はかなり困難になります。
実は、実際には
「動いているものを上手に撮影するにはどうしたらいいですか?」こういった質問に対して、決まった答えはありません。
なぜならそれぞれのケースで動くスピードや位置関係、撮影の撮り位置、動ける範囲などが違うからです。
ただ、全体に共通して言えることは「心技体」が大事ということです。
まるで柔道の道場みたいと思うかもしれませんが、この3つが動きものの撮影には必要な要素です。
まず「心」について。これは、「予測ができるかどうか」です。
よくどんな動きをするかわからず、カメラで追えないことがあると思います。
焦ってしまい、結果何も撮れていなかった、ということがありませんか?
ほとんどの方が動いている被写体を後から追いかけるので、予測どころか、後手後手に回ってしまっているのですね。
動きものを撮影していて大切なのは、動きを予測してカメラを構えておくことです。
「そんなの予測できないよ!」と思うかもしれませんが、プロでもそうです。
「こっちじゃなかったらあっちかな」と考えて、予測しながら撮影をしているものです。
最初のうちは当たらなくても、頭の中で予測をしながら撮影する癖をつけるといいでしょう。
一生に一度しかない撮影は事前準備をしよう!
2つ目の「技」について。
これは言わずもがなですが、「ココ!」という瞬間をしっかり捉えるためのカメラ設定や
フォーカスの合わせ方をマスターすることが大切です。
写真はカメラを使用して撮影します。自分の思う通りに動かせないと、
せっかくのシャッターチャンスを逃してしまうのは当然ですよね。
フォーカスには、色々なタイプの合わせ方があります。
動きものに特化したフォーカスタイプもありますので、自分なりに試してみましょう。
シャッタースピードを見誤ると、いくらピントが合っていてもできた写真はブレブレになってしまいます。
被写体の動きの速さを見て、シャッタースピードを「ドンピシャ!」になるように、間違いなく設定しましょう。
また「連写」は大きな味方ですが、ただやみくもに押していても写るわけではありません。
連射でも写っていない瞬間があります。カメラによって、連写スピードが違うことも注意しましょう。
一眼レフなので大丈夫! と思っていても、連写に強くないカメラの場合もあります。
説明書を読んで自分のカメラが一秒間に何コマ撮れるのかを知っておくのも大切です。
このように動きものに対応するには「偶然」に頼るのではなく、
「これで大丈夫!」といえる設定を自分なりにいくつか確保しておきましょう。
最後に「体」です。
運動会で何時間も炎天下にいたり、冬の寒い時期に手がかじかみながら撮影したり、
必ずしもベストコンディションで撮影できるとは限りません。
また被写体の動きの速さに慣れていないと、目で見ることすらも追いつかない場合があります。
これは動体視力と言われるものですが、実は日常の通勤途中などで養うことができます。
電車など速く動くものを目で追うなど、普段のちょっとした時間を利用して動体視力を維持しておくと良いでしょう。
動きものの撮影は体力勝負になることもありますので、「動くものを撮影するのに適した状態」を日頃から作っておくことが大切です。
よく「運動会の撮影は難しい」と聞きますが、実際に撮影状態を聞いてみると、
動きものを撮影するのは一年に一度くらい、撮影のための準備も特にしていない、という方も少なくないです。
そういう方には、「二度と撮れないものを撮る場合はいつも本番です。その場で準備や練習をしないでください」
とよくアドバイスをしています。一生に一度のお子さんの晴れ姿や、滅多に撮影できないようなスポーツなどはやはり「心技体」の前準備が必要です。
動き物を撮影される際に意識してやってみてくださいね。
きっと、今までとは違う表現ができるとおもいますよ。
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