ありのままを捉える力

DISSIN(デッサン)

From 三尾洋介

この前、イタリア人と話をしていて、
爆笑がとれました。

「今度、僕がイタリアにいった時は、
美味しいナポリタンが食べれる店に連れてってね~。」

この一言で、そのイタリア人は爆笑。

なんと、

ナポリタンは、イタリアにはない。。。

「え!?」

「ナポリにあるでしょ!?もしかしてあなた知らないの!?」

「ソーセージやピーマン入った、あれないの!?」

「あのケチャップ味のやつ、、、」

輪をかけて大爆笑。

僕は大マジメに言ってたのですが。。。(汗)

ナポリにもナポリタンはないらしい。。。

じゃあ、ナポリタンはどこの食べ物なんだ!
責任のないそのイタリア人に、半ば、怒りに近いものをぶつけていました。笑

そういえば、以前、
天津出身の中国の友達に笑われたのを思い出しました。

「天津にいったら美味しい天津飯の店つれてってね。」

爆笑でした。

天津には天津飯はない。

完全に僕の思いこみです。

今回のことは笑いごとですが、

でも実はぼくだけでなく、
人間はどうやら思いこみがすごいみたいです。

実は、
その思い込みによって、
見えていないことがたくさんあるようです。

ビジネスシーンでも、
普段の生活でも、

忙しい日々を送る人間は
どうも効率的に生活する必要があるため、
その物事が実際どうなのか、ありのままをみることなく、

周りから聞かされたこと、
過去の経験などから、

そういうものだと決めつけてしまう。

そうすると、本質がみえないため、本当の良さや最善の解決案が出てこなくなってしまう。

これは、一種の癖のようなものだと思います。

でも自分のこの癖に気づくことができると
今まで見えていなかったものがみえてきます。

そうすると物事の本質をとらえられるようになり、
本当の価値や、最善の解決案が出せるようになったりします。

実は、
この思いこみの癖をみつけるのに、
「絵を描くこと」

は有効的なんです。

特にデッサンや、模写はモチーフをみて忠実に描いていきます。
そのとき、思いこみが激しい人は、実際のモチーフを適当に見て、
自分の中にある思いこみのイメージで描いていきます。

すると、まったく違うものが出来上がります。

デッサンや模写で上手に描く、
より絵をリアルにみせる、
そのために大切なことの大きな要素には、

「ありのままをよく観察し、ありのままを描く」ということがあります。

どれだけ、「観察」したか、

それが重要になります。

つまり、「観察力」が大切ということです。

しっかりありのままを観る力が養えられていない場合、
気づかないうちに
ほぼ間違いなく自分の中の思いこんでるイメージで描きます。

「観察力」というと、小学生の話のようで、
あまり大切なことのようにおもわれませんが、

実は、この観察力がなければ、
その後の問いを立てること、
答えをだすことなどが、
明後日の方向にいってしまい、
本質を捉えていないものになってしまいます。

ビジネスであれば、
「そもそも何が問題なのか」
「どういう問題がおきているのか」

を正しくとらえられなければ、正しい解決案を導く事はできません。

だから「観察力」は、絵を描くときだけでなく、
ビジネスはもちろんのことスポーツ、生活、人間関係、、、、

すべてにおいて、必要不可欠な、重要な力ではないかと思います。

世界のエリートビジネスマンがアートを学びだしている背景には、
「答えのない問いに答えなければならない」世界になってきたことによるものが大きいと思いますが、
今後、AIがどんどん答えのある問いを解決してくれる世の中にすすんでいくのであれば、
エリートだけでなく、ぼくら庶民も「答えのない問いに答えられる知性」を身につける必要があります。

人間にのこされうる領域は、創造性だと僕も思います。

今、創造性の代名詞みたいなアーティストが世の中に求められているのは、
アーティストとは、「ただ直観的な発想だけでうごいている」という世の中で多い思い込みのイメージとは違い、
実は、「細やかな論理力」をもち、
さらにそこから一歩進めて「新たな問いを導き出す直観力」を鍛えているからだと思います。

そのもととなっているのは、鍛え上げられた「卓越した観察力」だと思います。

そもそも、画家やミュージシャンなどではない、ビジネスマンや学校の先生、市役所の受付係といった
どんな職業の人ももともと人間は表現者、アーティストなんだとおもいます。

ただ、思いこみでそれを気づかないうちに覆い隠してしまっているだけだと思います。

幸いなことに、
「観察力」は訓練で上達します。

「観察力」。
意識するだけで、確実に見えるものが変わると思います。

「ありのままをよく見る。」

意外とこれできていないものです。

ありのままをよく見た上で
成功へと導く信念のような「必要な思いこみ」は大切だし重要だと思いますが、
僕たちの無意識の思いこみのほとんどは、ただの空想なだけのことが多い気がします。

でも、
ありのままに見ていないことに気づけたら、チャンスです。

きっと、観察すればするほど楽しくなってくることにも気づくと思います。

「ありのままをよく見る」。

是非やってみてください。

僕のようにイタリア人に笑われないためにも。

でも、そのおかげで仲良くなれたな~
ん、むしろあれは、
「必要な思い込み」だったのかもしない。

三尾洋介

1977年生まれ、飛騨高山出身。一般社団法人日本アート教育振興会代表。 人々が自由になるための学習環境デザイン、研究をしている。 また、アート・文化と感情を...

プロフィール

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